このページは続発性リンパ浮腫(二次性)について説明します
続発性リンパ浮腫(二次性)=外科手術などによる外部からの要因が明らかなリンパ浮腫を指し、先天性の浮腫と分けています。
●リンパ浮腫とは(むくみ)
乳がんや子宮がん卵巣がん前立腺がん等の手術(リンパ節の郭清)後に多く、他に放射線や抗がん剤治療により発症する手足のむくみ、リンパ浮腫発症の仕組みとケアを分かりやすく解説します。
このページを読み終わる頃には、乳がんや子宮がん等の手術後に腕や脚(手足)に発症するリンパ浮腫(むくみ
・腫れ)を理解されると思います。
今まで、もやもやしていた疑問が整理されてこれから取り組むケアの方法が見えてきますから、参考にして下さい。
リンパ節の郭清が無くても放射線治療や抗ガン剤の影響で、リンパシステムに障害が起こりリンパ浮腫を発症することが確認されています。
《術後リンパ浮腫の治療は、家庭での在宅ケアが基本です》
術後、違和感を感じたら早急にリンパ浮腫専門外来を受診し、初期手当の後は日常生活で在宅によるケアを継続します。
●術後のリンパ浮腫とは、子宮がんや乳がん・前立腺がん等の治療や術後に、リンパ節の郭清や放射線・抗がん剤治療の後遺症としてリンパシステムに障害が起こる浮腫みです。リンパ浮腫発症の原因や症状と治療法を
患者である本人が患者さんの目線で解説し、同胞の患者さんが抱えているリンパドレナージュ(リンパマッサージ)療法について、「継続可能で理想的な在宅ケア」をアドバイスします。
現在の医療では術後リンパ浮腫を元通りに完治することが不可能とのことですが、有効な在宅治療を継続することに依って症状を今より緩和し進行させないことが可能になり、「生活の質」の向上が計れますから是非このページをご覧頂き在宅でのケアを実践してください。
●手術や放射線・抗がん剤治療による、リンパシステム障害から発症する
術後のリンパ浮腫 は、閉塞されたリンパの新しい流れをつくるために、術後の予防や早期の治療が有効になります。
患者さんの殆どの方が、毎日の適切なケアによって浮腫は軽減され、生活の質(QOL)を向上させることが可能ですから、浮腫を悲観せず希望を持って前向きに取り組んで下さい。
子宮ガンや乳ガンなど術後の後遺症として発症するリンパ浮腫(むくみ)について、リンパ浮腫の患者を身近にし、知り得た情報や知識などを、浮腫でお困りの方に少しでもお役に立てればとの思いからこのページを作成しております。
浮腫にお悩みの皆様からの情報や多くの資料を参考に、リンパ浮腫発症のプロセスを解説し、波動型エアマッサージ器メドマーと徒手(用手)によるセルフマッサージの複合で、リンパの排液を効率良く行う理想的な在宅ケアの方法をアドバイスします。
■乳癌や子宮癌、前立腺癌などの外科的療法で、癌の転移を予防するために、リンパ節を郭清(かくせい:きれいに切除)したり、放射線や抗ガン剤による治療でリンパ管に障害を起こし、術後に手足(腕や脚)などがむくんでくる人が少なくありません。
そのまま放置した場合、重いだるさやこわばり感・しびれや痛みなどを伴い歩行困難になったり、合併症として蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症し、これを頻繁に繰り返すと皮膚が硬くなり、最悪の場合象皮症(皮膚が硬くなりシワがよって象の皮膚に似た症状)まで進んでしまうこともあります。
このような術後に発症する、原因が判明している二次的な浮腫を続発性リンパ浮腫と定義付けされて、その他の先天性や原因不明の原発性浮腫とは区別され診断されています。
■女性にとって精神的にも辛く苦しい闘病生活を、私自身が患者を身近にして、その治療と医療の取り組みの遅れを痛感し、多くの悩める人がいるのではないかと思い、多くの資料を参考に作成しました。専門的な医学用語はなるべく使わずに、理解しやすい言葉に置きかえてありますが、このページをご覧になってお気づきの点や注意がありましたらアドバイスをお願い致します。
そして新しい情報により日々更新したいと思います。
当ページの掲載は20年ほど前のことでしたので、術後リンパ浮腫に関連するページが殆ど無く、参考資料の多くはMego
Afek社(リンパ浮腫研究と治療機器製造)や米国など、浮腫に関連する医療機関・企業
などのホームページに公開されている文献や資料を参考に、理解しやすい日常の言葉にして掲載しました。
現在は、徳島県のリムズ徳島クリック院長・小川佳宏先生の著書や新聞そのほかの情報を参考に上書き改訂しています。
■術後の後遺症とされるリンパ浮腫は初期の糖尿病と同じように、命に別段影響しないためか危機感がなく、これを熱心に研究してくださる医師や医療機関が少ないのが現状です。
またリンパ浮腫の治療にあまり関心をもたれない理由の一つとして、投薬などによる内科的療法が出来ないことで医師も困惑し、術後の二次的な後遺症と位置づけしてリンパ排液マッサージ(リンパドレナージュ)をアドバイスすることが精一杯のようです。
内科的治療法の無いリンパ浮腫の治療については医療の現場からは影の薄い存在になっています。
■術後リンパ浮腫の在宅治療
ご自宅でのケアを検討中の患者さまや、現在
弾性ストッキングや包帯(バンテージ)による静的な保存治療法で浮腫の改善が思わしくない皆様に、ぜひ ご覧頂きたいページがこちらです。
お役に立ちたいページですのでぜひ参照してください。
【朗報】
2008年4月1日より弾性着衣(弾性ストッキング等)については療養費として保険適用されることが決定しました。
2008年度診療報酬改定に関するニュース
■リンパ浮腫
弾性着衣(ストッキング等) に関する保険適応が決定■
中央社会保険医療協議会(中医協)総会資料のコピー
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● メドマーマッサージ
終了後の、弾性着衣等(弾性ストッキングやアームバンド・バンテージなど)の装着は、リンパ浮腫の在宅ケアに有効です。
メドマーは、弾性着衣等を既にご使用の患者さまには、おすすめの医療機器です。
術後リンパ浮腫の在宅療法
ご自身では難しいとされるドレナージュ、ご家庭で継続可能な最良のケア方法は、こちらを参照してください。
■最近の外科的療法として、
リンパドレナージュによる浮腫の改善が見込めない場合、一部の専門医療機関で
リンパ管細静脈吻合手術(LVA)
が行われています。
弾性包帯(バンテージ)
リンパ管細静脈吻合術(LVA):リンパ管と同径の細静脈を顕微鏡を覗きながら吻合する手術で、皮下の活動している直径1mm以下のリンパ管を一肢につき数カ所の施術を行います(吻合された細静脈にリンパを排液します)。
郭清されたリンパ節は再生しないので、手術には腋窩のリンパ節を鼠径部などに移植(?)しリンパ管と吻合する事もあるようです(リンパ節の郭清により切断されたリンパ管の再生もあるとのことです)
施術は、リンパドレナージュにより改善されない重度の場合の手段ですが、これで完治するわけでなく施術前後はリンパドレナージュとバンテージや弾性ストッキングの使用による保存療法が必要です。
【重要】年間に数回の蜂窩織炎(蜂巣炎)を発症する患者さんは、リンパ管静脈吻合術を受けられた方が良いと思います。
術後は確実に蜂窩織炎の発症が激減すると報告されていますので、象皮症の発症を予防できます。
手術費用は高額医療になりますが健康保険が適用されます。
手術は全身または局所麻酔で皮膚を2~3Cm切開し、数カ所の吻合で入院日数は1週間前後となり術後もドレナージュとストッキングの着用が必要です。
但し高齢な患者様の場合はリンパ管の筋肉(平滑筋)が衰えているため施術の効果が期待できないこともあります。
■内科的療法(薬物治療等)が無い術後などのリンパ浮腫の治療には、在宅での日常生活で弾性ストッキングやバンテージ(伸縮性包帯)・スリーブなどを使用する静的な保存治療と、徒手(用手)によるリンパドレナージュや
空気波動型のマッサージ器を併用する動的な治療の複合治療が基本で、自身で行う在宅でのケアが常識となっております。
重度な場合は専門医療機関での入院加療を必要としますが、退院後は前述の自身による在宅ケアを要します。
在宅でケアする場合、リンパドレナージュ(排液マッサージ)を患者さん自身で継続するには、その技能と肉体的にも限界があり
、セラピストによるリンパドレナージュを継続するには、掛かる時間や経済的な負担が大きいです。
この後に紹介する空気波動型エアマッサージ器を補助的に使用されると、在宅でのケアを容易で有効にします。
■リンパ浮腫や下肢静脈瘤のケアに使われている空気圧波動型のマッサージ器には、メドマー(製品名)があります。
在宅療法では、前処置の用手ドレナージュとメドマーによる複合治療が、継続できる最善のケア方法です。
フィジカルメドマー
(パンツセット)
ドクターメドマー ロングブーツ
(標準ブーツセット)
日東工器(株) メドマー紹介動画(ユーチューブ)
このページでは医療機関や家庭で広く使用され実績のある 空気波動型マッサージ器 メドマーと用手によるセルフマッサージを複合する物理療法で
理想的な在宅ケアの方法をアドバイスしています。
メドマーについては浮腫でお困りの方にぜひお使い頂きたく、詳しく紹介しております。
詳細についてはメドマーのページをご覧頂き浮腫の発症からは、なるべく早期のケアをおすすめ致します。
■在宅ケアの方法やメドマーについてのご相談は、遠慮無くお問合せ下さい。
在宅でのケアを検討される方は、ぜひメドマーのページをご覧下さい 必ずお役に立てると思います。
用手とメドマーのコラボレーション 待望のソフトウエアー
ドレナージュを見ながら施術できます
術後リンパ浮腫のセルフケアと、メドマー使用方法を全て収録
※ メドマーの使用法と自身で行う正しいリンパドレナージュの施術は、セラピストの映像を鏡合わせに見ながら行えます。
【DVD内容】
リンパドレナージュ(用手マッサージ)施術方法と、メドマーの使用法
弾性着衣(ストッキングやスリーブ)の着脱・使用方法
弾性包帯(バンテージ)の巻き方
術後リンパ浮腫についての解説や、ケアにおける注意点
※ DVDの概要はこちらのページへ
好評です
メドマー購入時
無料添付します
製作:リムズ徳島クリニック
監修:院長 小川佳宏
文中で使用する用語について
組織間液 |
組織間液とは、血液成分が毛細血管から周囲の細胞間組織に漏れ出した水分。
組織間液が何らかの障害によりその患部に貯留(溜)し
リンパ浮腫を発症する。 |
リンパ(液) |
このページではリンパをリンパやリンパ液と表現してます。
リンパ液、は組織間液を吸収しながら体に不要なタンパク成分など老廃物を取り込み、心臓に向かって運ぶ役割をしています。 |
リンパ管 |
リンパ管は、リンパの通り道で、必ず何れかのリンパ節に接続します。 |
リンパ節 |
リンパ節は、リンパ液により運ばれてきた老廃物や病原体を網に引っ掛けて閉じ込めます。 |
白血球 |
白血球は、リンパ節に閉じ込められた病原体や老廃物を処理します(食べてしまう)
※リンパ節と白血球は、リンパ液のフィルター(浄化)として大切な働きをしています。 |
郭清(かくせい) |
手術(オペレーション時)の専門用語で、癌(がん)を切除する際、転移の有無に関わらず、周辺のリンパ節を全てきれいに切除すること。
癌細胞がリンパ節を介して転移しやすいことから、癌の根治・予防のために行われます。 このページでは切除と表現しています |
リンパドレナージュ |
閉じられた腔に溜まったリンパ液を排出する施術(排液法)徒手(用手)によるリンパ排液マッサージ療法のことで、四肢の皮下に滞留しているリンパを吸収し心臓へ戻す様に、機能しているリンパ管に誘導させながら、かつリンパ管内の流れを活発にして、静脈への排液口である鎖骨下の頸部リンパ節群に導き静脈に注げるように施術します。
静脈に注がれたリンパは血液に戻り、心臓を介して全身に巡ります。
現在、国内ではリンパドレナージュ療法を施術する専門のセラピストや、入院施設を完備したリンパ浮腫専門の医療機関が少なく、治療を受けることが困難なようです。
【術後のリンパ浮腫】
手術や放射線治療など、何らかの原因でリンパの流が滞ると集合リンパ管は膨張して、下図の逆流防止弁(リンパシステム)が機能しなくなると、弁の隙間からリンパは引力で下方に降りて滞留し浮腫が発症します。
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